大阪城から天王寺へ向かっての南北ラインに上町台地という、地形が高くなってる通り(現在の谷町筋)があり、昔は上町台地より大阪湾側は海であったため古い建造物の多くが現存しています。
今回、紹介するランニングコースは、その上町台地で天王寺方面にある、茶臼山と言う大阪夏の陣であの有名な「真田幸村」が布陣を構えた場所から、生國神社までの間に7つの坂があり、それぞれ歴史的な寺院へのつながっています。
天王寺七坂だけを巡るにはランニングなら約30分程度。ウォーキングでも2時間程度でまわることができます。
また、七坂周辺には以下で出てくる寺院以外にも多くありますので、天王寺七坂と合わせて多くの寺院を巡って、パワーをいただきましょう。
由来、歴史を説明
5世紀の頃、今の大阪市中央区あたりに港があり、中国やアジア他国からの貿易の玄関口として利用されたことで、大阪は栄えました。そこに、聖徳太子は593年に四天王寺を建立。
その後、大阪の中央を流れる川が物流の起点となると、目を付けた織田信長は石山本願寺(今の大阪城)に手に入れたほど魅力的な土地でした。
大阪城のある上町台地は、大阪一帯を見渡すことのできる好立地で、当時はすぐ近くには大阪湾があったことで、敵勢が攻めてきても容易に陥落させることができない地形でした。
その後は、豊臣秀吉や徳川家康と言った、過去に名を残す名将をも魅了してきました。
現在では、上町台地には多くの寺院があり、天王寺駅付近には近鉄百貨店(あべのハルカス近鉄本店)、あべのキューズモール、天王寺ミオなど大型商業施設が満載です。
大阪城からの七坂までの走行距離
大阪城公園を起点に、最も遠い坂なら逢坂(一心寺)までで、片道が5kmとなります。
往復すれば、10kmとなり以下のようなルート設定を参考にしてください。
5kmコース
大阪城公園→真言坂(生國魂神社)→源聖寺坂(源聖寺)→口縄坂→愛染坂(愛染堂)→清水坂(清水寺)→天神坂(安居天神)→逢坂(一心寺)→茶臼山→天王寺で完了。(帰りはJR環状線で天王寺駅~森ノ宮駅まで移動もできます)
10kmコース
大阪城公園→茶臼山→逢坂(一心寺)→天神坂(安居天神)→清水坂(清水寺)→愛染坂(愛染堂)→口縄坂→源聖寺坂(源聖寺)→真言坂(生國魂神社)→大阪城公園で完了。
天王寺七坂と関連神社の紹介
第1の坂 【逢坂→一心寺】
①歴史看板
天王寺区松屋町筋終点、いわゆる合法ヶ辻から東へ上って四天王寺西門に至る坂である。
逢坂は逢坂の関になぞらえてよんだものとも、他説では聖徳太子と物部守屋の二人が信じる方法を比べ合せたと言われた「合法四会」に近いことにより合坂と名づけられたなどの諸説がある。
②一心寺のご利益
1185年に創建された、宗派を問わないお参り、納骨ができると有名です。
また、「酒封じの神」として祀られています。
徳川家康の時代、四天王とも言われた本多忠勝の次男、大阪夏の陣でお酒を飲みすぎてしまったために失敗。最後は討ち死にしてしまったと言われています。
本多忠朝の墓碑の壁面には、お酒にまつわるの切実な願いが書かれた「しゃもじ(絵馬) 」が奉納されています。
お酒のことでお困りの方は、一度お参りされるのも良いかもしれません。
③参拝時間
5:00~18:00 ※本多忠朝の墓 9:00~16:00
第2の坂 【天神坂→安居天神(安居神社)】
①歴史看板
安居天神へ通ずる坂道なので、このように呼ばれている。
この神社境内は大阪夏の陣に真田幸村が戦死したところで、本殿わきに「真田幸村戦死後之碑」がある。
また、同境内すぐ下には七名泉の一つ、安居の清水があり、「かんしづめの井」(癇静め)とも呼ばれよく知られている。
②安居神社のご利益
安居神社では、病気平癒、健康成就、学業成就、金運のご利益がある神様を祀っております。
また、茶臼山に布陣して、大阪夏の陣でも有名な真田幸村公の終焉の地でもあります。
③参拝時間
7:00~16:00
第3の坂 【清水坂→有栖山清水院清水寺】
①歴史看板
新清水清光院に登る坂道をいう。
高台にある新清水寺境内からの眺望は別格で、さらに境内南側のがけから流れ出る玉出の滝は、大阪唯一の滝として知られている。
また、この付近一帯は昔から名泉どころとして知られ、増井、逢坂、玉出、安居、土佐、金竜、亀井の清水は七名泉と呼ばれている。
②清水寺のご利益
寛永十七年(1640年)に、京都の清水寺から聖徳太子作と言われる十一面千手観世音菩薩を遷して、新清水寺と改めた。
四天王寺の支院であたり、京都の清水寺同様に流れる滝は、「玉出の滝」と呼ばれ、四天王寺にある青竜池から湧き出ている霊水が、ここまで流れてきて滝となっているとも言われます。
③参拝時間
9:00~16:00
第4の坂 【愛染坂(アイゼンザカ)→愛染堂勝髷院(ショウマンイン)】
①歴史看板
その名の通り、坂の下り口にある愛染堂勝髷院から名付けられた。
愛染さんの夏祭り(六月三十日)は大阪夏祭りの先駆けとして知られ、境内の多宝塔は市内最古(文禄三年)の建造物で、重要文化財と指定されている。
大江神社には「夕陽岡」の碑があり、このあたりからの夕焼けは今も美しい。
②愛染堂勝髷院のご利益
仏教では愛欲は煩悩の1つであり、煩悩を捨てることが悟りを開く道とされてきました。
しかし、煩悩があるからこそ、人々から悟りを求める心が生まれると考えられたのが愛染明王であり、煩悩(愛欲や欲望)を悟りに変えて、菩提心(悟りの境地)にまで導いてくれる力を持つ仏様です。
特に良縁成就や結婚成就・夫婦円満・商売繁盛においては仏教神の中では最強最高と誰もが認めるほどで、その手に持たれた弓と矢で愛のキューピットのように人と人、心と心を結び付けます。
③参拝時間
9:00~16:30
第5の坂 【口縄坂(クチナワザカ)→太平寺、さんご寺、称名寺】
①歴史看板
坂の下から眺めると、道の起伏がくちなわ(蛇)に似ていることから、この名がつけられたという。
付近の浄春寺には暦学者麻田剛立、画家田能村竹田、春陽軒には国学者尾崎雅嘉、太平寺には医家北山寿安ら、江戸時代に活躍した先人の墓がある。
また、梅旧院には芭蕉の供養碑も見られる。
②太平寺のご利益
太平寺が「十三まいりのお寺」として多くの人々に親しまれ、13歳になる子供が広大な知恵と、慈悲を持つ虚空蔵菩薩さまの仏徳にあやかるために参詣する、古くからの行事で信仰を深めてきたお寺です。
③参拝時間
8:00~17:00 (太平寺)
第6の坂 【源聖寺坂(ゲンショウジザカ)→源聖寺、齢延寺、銀山寺、金台寺】
①歴史看板
この坂は、登り口に源聖寺があるので、その名をとっている。
付近一帯は、寺町として長い歴史を持つ。
齢延寺には、幕末に泊園書院を興して活躍した藤沢東畡、同南岳父子の墓があり、銀山寺には、近松門左衛門の「心中宵庚申」にでてくるお千代、半兵衛の比翼塚が建てられている。
②源聖寺のご利益
源聖寺は浄土宗のお寺で、ご本尊様は阿弥陀如来(あみだにょらい)様。
その他、救世観音菩薩(ぐぜかんのんぼさつ)延命火除地蔵尊(えんめいひよけじぞうそん)を祀られています。
色々な仏様に出会って何かを感じて頂ける、印象深いお寺を目指しております。
③参拝時間
7:00~18:00 (源聖寺)
第7の坂 【真言坂(シンゴンザカ)→生國魂神社(イククニタマ)】
①歴史看板
生國神社の神宮寺であった法案寺をはじめとする生玉十坊が、明治の廃仏毀釈まで神社周辺で栄えていた。
うち、神社の北側には医王院・観音院・桜本院・新蔵院・遍照院・曼陀羅院の六坊があった。
すべて真言宗であったので、この坂は真言坂と呼ばれた。
②関連寺院のご利益
神武天皇が九州より、日本統一の旅に出発され、お着きになった際に現在の大阪城を含む一帯に、日本国の御霊である生島大神・足島大神を祀られたのが、生國魂社の創祀と伝えられており、生成発展、五穀豊穣、健康長寿、縁結び、社運降昌、家内安全のご利益があります。
また、境内社に鴫野神社(女性の守護神)や、浄瑠璃神社(芸能上達の神)など、12社が祀られております。
③参拝時間
9:00~16:00
まとめ
大阪の上町台地には、淀川や大和川を利用して物流の巡りなどから、栄えいろんな方が町を訪れてました。
そのこともあり大阪は栄え、多くの寺院が残されています。
この中でも「天王寺七坂」と呼ばれた名所を、是非ともランニングやウォーキングで訪れて、大阪の街をどんどん探索していってください。
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